76年から販売を開始したグレコ版Red Special、BM900。Serial No. G776918は、77年7月製造のモデル。BM900は、1978年のカタログからProjectシリーズページに登場。マホガニーボディ、メイプルネックにローズ指板という仕様。ソリッドボディ、金属パーツ多用でやや重く4.1kgある。1985年のカタログからはBM80と型番が変更、その後BM90に。初期のトラスロッドカバーは2プライ。BM90は1プライでGrecoロゴが少し大きくなる。

Greco BM900 1977 Made In Japan Red Special グレコ Brian May

ウェストの太いシルエットでベッコウ柄ピックアップが特徴。

ペグの交換のため外したヘッド部。ヘッドからセットネックのエンド部にかけて。かまぼこ型のヒール。ほとんど水へに近い角度でボディに入ってきている。指板のローズウッドは黒々としていて目も細かい。アームはイモネジが無くなっていて適当なネジ(M4)で止まっている。

ピックアップ周り、コントロールノブ、トグルスイッチ、ワイドトラベルブリッジ、トレモロ周りと手作り感が満載でいかにも70年代日本製といった趣。トグルスイッチの右横あたりでピックガード裏のアルミ箔をGndさせてキャビティのシールド部と接続している。(ピックガードがブリッジアンカー周り固着していて開けない。開くと多分ピックガードが割れる。不具合はないのでまあそのままに)

ブライアン・メイも愛用していた時期が一瞬あったらしい

Greco BM900 1977 Made In Japan Red Special グレコ Brian May ワイドトラベルTOM Wide Travel Tune-O-Matic MusicLife Magazine advertising 広告 ブライアンの音づくり哲学
ブライアンもいたく感嘆されたこのモデル。いまやコピーのワクを完全に飛び越えてまして、ワイヤリング・マニアかっこうのターゲット。デビュー以来3年。依然衰えぬ人気の...

と、あるので1979か1980年頃のミュージックライフでのグレコ雑誌広告。ブライアンに本物を送って禊した後に出した広告と思われます。

ブリッジはGibsonのワイドトラベルTOM(Wide Travel Tune-O-Matic)のコピー版ブリッジ。1弦と4弦が固着していたのでなんとか緩まった1弦だけバラした。ネック側、調整ネジ受け側のボルト部のとこが固着している。錆止めを吹いてあるのでそのうち緩むかも。

サドルの調整幅は15mmもある。Gibsonのは73年頃登場なのでグレコ版のこのブリッジは76年からなのでけっこう後ということになる。ギブソンっぽいけど支える支柱部分はムスタングに習っていてアーミングに合わせて前後する。上部両側の穴に1mmの六角レンチを入れて高さ調整が出来る。

背面パネルはなかったので2プライで製作した。掃除をするとけっこうピカピカになる。

トレモロは、ほぼムスタング的な構造。ブリッジ下部の黒い半円形の部分はムスタングだとFenderロゴが入ってるメッキのプレートと同じ役目をしている。黒塗装されてるがナイフエッジ部が接する部分なので同様に鉄板。

ムスタング同様支柱は固定されてないのでアーミングでブリッジ全体が前後する。そのためチューニングが安定しない。写真4枚目は掃除のため無理やり上に引っ張り上げたところ。ムスタングのメンテナンスと同様にナイフエッジ部をともかく綺麗に掃除して少しだけグリスを塗布。スプリングも掃除。

トレモロアームはM4のイモネジの前にムスタング用のインサートを少し小さくして挿入。程々の締め方でいい感じに固定できる。

純正のペグ。1弦の裏蓋がなくなっている。ポストは円柱でなく角ばっている。GOTOH SG301 MG-T 05PW-Cと言う長い品番のパーロイドボタンのロックペグに交換。固定ネジの穴の位置は同じ。ついでにナット溝も若干滑りを良くする方向に削った。ナイフエッジ分掃除とロックペグ、ナット調整で安定度はだいぶ良くなった。